マンションの給水管更生工事をタイコーに依頼した その2
マンションの長期修繕となると、理事のほかに修繕委員会というものを立ち上げる。
理事5名と修繕委員4名の計9名で議論する。
このメンバーで管理会社提案のもと、今後の修繕計画をどうするか、長期修繕積立金が現状のままでいいかどうか検討する。
そして今回のように実際、排水管の更新工事・更生工事をどうするかをこのメンバーで検討する。
最初に、工事についての説明を受けたのは2018年8月末。
事前に2年前に撮影した排水管の汚れ具合の写真を送付した。
残暑厳しい中、理事・修繕委員会・タイコーのメンバーが集まって打ち合わせを持った。
タイコーより以下の工事内容について説明を受けた。
・更生工法がサイクロンスーパーコート工法 (CSC工法)であること。
・CSC工法 特徴
①高品質の排水管更生工法(高精度研磨)
他工法にはない、高精度の研磨を実施し、高品質を約束する
②高性能の排水管更生工法(高性能ライニング)
ライニング2回塗りと抗菌材の投入で、排水管の性能を高める
・工事全体の流れとして1系統わずか1日の工事で引き渡し可となる
(8:30~18:00まで断水になる・・・トイレも使用不可)
あわせて以下の提案がされた
・更新工事は不要・・・更生工事で大丈夫で継ぎ手の工事も可能
・今回の工事で10年保証する
・さらに10年後の更新工事まで実施でき10年保証する
(既に築30年が経過していて、2回更生工事をして20年間の現状の排水管を利用できるので50年間もつ)
・50年目にして更新工事を実施してはどうか
打ち合わせの後、マンションの外観、駐車場、設備を1階から屋上までくまなくみてくれた。
そしてマンションの設計図も持ち帰ってもらった。
☆
見積もり金額を提示されたのが、2週間後の9月中旬。
非常にレスポンスが早く、対応が良かった。
・見積もり金額
・工事の進め方
上記2つがpdfで送られてきた。
☆
2018年11月、管理組合において理事会・修繕委員会を開いた。
今回の更生工事を『タイコー』にするかどうかをこの場で決定した。
そして2018年12月、タイコーと管理組合の合同打ち合わせを開催して臨時総会を2019年1月に開催、承認された場合は3月に工事説明会を開いて実施するという流れになった。
臨時総会では大きな反対もなく可決承認された。
☆
2019年3月、住民全員を対象に工事説明会を実施した。
タイコーから居住者に対して、パワーポイントで詳細な説明がされた。
この更生工事であるが、排水管は上(9階)から下(2階)までいっきに清掃するため居住者の在宅が必要になってくる。
※1階は駐車場
しかも、工事業者の指定した日にどうしても在宅が必要だ。
1部屋でも工事ができないと、そこの部分(その階)で漏水事故につながる可能性が高くなる。
工事を実施するに際して問題点を洗い出す。
・緊急連絡先
・当日不在の場合の鍵対応
・トイレが使えないのでどうすべきか
緊急連絡先は個人情報保護の問題があるので協力してもらえるか心配だったが、管理会社の情報と管理組合・タイコーの事前アンケートですべての部屋の連絡先を知ることができた。
当日どうしても不在にしなければならない場合は、工事業者とその居住者が別のカギをかけることで解決できた。
トイレについては、管理人室を開放してトイレを使えるようにした。
さらに災害時用簡易トイレを全戸に配布して、万が一急にトイレに行きたくなった時はこれで済ませるようにした。
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2019年5月連休明けから工事が始まった。
最初にマンションのエントランスに事務所が出来た。
そして、その壁には日程表が組まれ、いつどの部屋が工事に入るかがわかるようになっている。
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工事をする作業員の方たちの礼儀良さ、挨拶がしっかりしているということで非常に評判が良かった。
更生工事は約2週間行われたが、マンション住民全員の協力を得て、すべての工事が終了した。
支払いは工事を実施する前の3月に3割を支払い、工事が完了した後の7月に残額の7割を支払って完了した。
確かに工事中は、騒音があって、いつもは静かなマンションがうるさくなる。
ただ、我慢できないほどの音でもなく工事時間中ずっと続くわけではない。
一方、近隣住民に対しても、タイコーにビラを配布して頂き大きな迷惑をかけることなく無事に工事が完了した。
5月連休明けに始まった工事も予定通り2週間で更生工事が完了し、6月末に管理組合・タイコーでクロージングミーティングを実施した。
今回の工事の分厚い資料と10年間の保証書の入ったバインダーを受領した。
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しかしながら、なにを行うにしてもトラブルはつきものだ。
今回の工事でも大きなトラブルがあった。
起きたのは最初の日。
毎年秋に実施している高圧洗浄のホースが放置されていたのだった。
タイコーからどのように放置されていたかの動画を見たが、「まさに蛇がとぐろを巻いている」状況で発見された。
これを取り除かないと工事を先に進めないという。
そこでホースが詰まっている住民の方に、壁を開けてもらえないかと相談したところ却下されたという。
壁に穴を開けるとマンション評価額が毀損する恐れがあるという理由からだった。
その方は、たまたま賃貸の方でオーナーの判断が必要ということで、お昼までに確認できないと工事が中断という憂き目になったが、了承を得て工事を続行できた。
しかしながら、毎年実施している清掃業者のやり方はひどいものである。
これについては、管理会社も清掃業者から報告を受けていないという。
この件についての損害賠償については継続して対応中で、結果がでたら、また報告したい。
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管理組合と管理会社について。
管理組合は、「いかに費用を抑えるか」を考えるが、管理会社は利益追求の会社なので「いかにお金を使わせようとするか」を考える。
なので、相互に利益相反する構造になってしまう。
つまり、逆の発想で管理をしているのでどうしても利害がぶつかることになる。
マンションも30年を過ぎると年々老朽化の一途をたどる。
いかに修繕積立金を有効に使いビンテージマンションにしていくかは管理組合の腕の見せ所である。
理事は毎年交代で変わっていくが、毎年の引継ぎが非常に大事であると感じさせられた。
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